幸せいっぱいのシーンで幕を閉じた1幕。
休憩を挟んで始まった2幕は、再びヴェローナの街中(広場)です。
相変わらずつるんでいるロミオ、マキューシオ、ベンヴォーリオですが、ロミオはジュリエットのことを考え、心ここにあらず、と言った様子。
そこに、ジュリエットからの手紙を預かった乳母が現われます。
「ロミオさんはどちら?」と尋ねる彼女を、「私がロミオです」「いやいや、私こそロミオ」「本物は私」とからかう3人。
すったもんだの末、ようやく手紙はロミオ本人のもとに渡りますが、そこにはジュリエットから結婚を承諾する旨が書かれていたため、大興奮のロミオは乳母に抱きつき、彼女の周りを高速のシェネでぐるぐると回って、ロレンス神父のもとへと走り去ります。
スティーヴンのこのシェネが、思わず拍手が沸くほど、本当に凄かった!
フィギュアスケートのスピンみたいに物凄い速さで竜巻のようにぐるぐると回り、乳母だけでなく観客をも煙に巻いていなくなってしまいました!!
ところで、キャスト表を見ると、ロレンス神父を演じているのは、モンタギュー公と同じ人だったので、それを知った上で見ると、ちょっと不思議な感じがしました。
(モンタギュー公にとっては息子である)ロミオとジュリエットの手を、ロレンス神父がしたようにモンタギュー公もしくはキャピュレット公が重ね合わせることが出来たのであれば、2人は死を選ばずに済んだのに・・・。
秘密の結婚式を挙げた2人。
しかし、皮肉にも広場に戻ったロミオが目にしたのは、ティボルトと争う親友マキューシオの姿。
急にキャピュレット家と戦うことを避けようとし始めるロミオに痺れを切らした彼は、ティボルトと決闘を始めます。
何とか止めようとするロミオですが、マキューシオはティボルトの剣についに倒れてしまいます。
最期までふざけ、強気な態度を崩そうとしないマキューシオですが、絶命の直前、ティボルトとロミオをそれぞれ指差しながら、「お前たちの諍いに巻き込まれて俺は死ぬ」と言い残し絶命します。
MERCUTIO: "A plague o' both your houses!(両家ともくたばってしまえ!)"
呆然とするロミオ。親友の死を目の前に、ティボルトへ復讐を挑んでしまいます。
怒りに身を任せてぶつかってくるロミオの剣に倒れ、崩れ落ちるティボルト。
息絶えるその瞬間まで、果敢にロミオに挑もうとする彼の執念がすさまじいです。
(ティボルト役のトーマス・ホワイトヘッドは物凄い迫力で身体を投げ出しロミオの方へ振りかかろうとするので、既に剣を捨てて捨て身の状態のロミオにこのまま届いてしまうのではないかと少しヒヤヒヤしました!)
そこに駆けつけたキャピュレット夫人。
横たわるティボルトの姿に我を忘れてロミオへと掴みかかり、仇を取ろうとする彼女は自分の胸を掻き毟りながら激しく慟哭し、左右に身体を投げ打ちまわりながら悲しみを訴えます。
ティボルトはキャピュレット夫人にとっては甥(ジュリエットにとっては従兄)にあたる人物ですが、その余りにも激しい取り乱しぶりは、2人の仲がただならぬものだったと言う説を象徴しているかのようでもありました。
キャピュレット夫人を演じていたジェネシア・ロサートの演技には圧倒されました。
終演後にサインを頂いた時にはとても穏やかで優しい雰囲気に溢れていましたが、本当に同一人物とは思えないほど激しく、近寄り難く、それでいて気高く美しかったです。
マンチュアへと追放されることになったロミオは束の間の時間をジュリエットと共に過ごします。
電撃的に恋に落ち、出会った次の日に結婚した2人は、夫婦になってすぐに離れ離れにならねばならなくなったのです。
一夜を共にしたジュリエットはロミオが去っていった方向を眺めながらしばし想いに耽りますが、そこに両親がパリスを伴って現われます。
ティボルトの死と言う悲しい出来事を、ジュリエットの結婚と言う幸せで埋めようとするキャピュレット夫妻(両親は、ジュリエットが涙に暮れている理由が従兄を失ったからだと思っているので、娘を元気付けるためにも結婚を早めたのです)。
しかし、彼らは想像もしていなかったような娘の激しい抵抗に遭います。
従順だった娘の頑なな反抗。
そして、娘のためを思って理想的な結婚相手を選んだのに、それを頑として拒む様子に、キャピュレット公は激怒します。
「自分に従わないのであれば勘当する」と言い渡され、絶望感に襲われるジュリエット。
再びロミオの去っていった方角を見つめ、助けを求めにロレンス神父の元を訪れます。
そこで彼女はあの「仮死状態になる薬」を貰うのです。
薬を手に部屋へと戻ったジュリエットの元に、再びキャピュレット夫妻とパリスが現われます。
ロレンス神父から「パリスとの結婚を承諾しなさい(ロミオと結ばれる作戦の一部として)」と言われていたジュリエットですが、ここでも最後の抵抗を試みます。
(イライラするキャピュレット公に強く腕を掴まれる様子が痛々しい・・・)
パリスと無理矢理に踊らされるジュリエットは、魂の消えた人形のよう。
だらりと両腕を垂れ下げ、氷のように冷め切った顔からは表情さえも消えてしまっています。
それでも時折生気が宿るかのように、ロミオの消えた方向に手を差し伸べては引き戻されてしまう・・・最終的に、パリスとの結婚を承諾した彼女は、再び1人きりになり、あの薬を飲もうとします。
得体の知れない薬に恐怖を抱きつつも、ロミオへの愛のため、恐ろしさを克復して一気に飲み干し倒れるジュリエット。
JULIET: "If all else fail, myself have power to die. (もし全てが失敗に終っても、自らの命を断つ力は残されているわ)"




