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Ballet: 2009年11月アーカイブ


未だにふと思い出してはドキリとする言葉があります。


・・・「ドキリ」と言うよりも「ギクリ」と言うのが正しいでしょうか。


それはこんな言葉です。


「"Good"や"Very good"で満足していちゃ駄目。常に"Excellent"を目指しなさい。」

留学先のバレエの先生、Miss Mが口をすっぱくして言っていた台詞です。

実際、生徒に声をかける時、Miss Mは意識的に言葉を使い分けており、「Excellent」と言う言葉が発せられることはほとんどありませんでした。

最初何も知らずにレッスン中「Good!」と言われれば素直に喜んでいたのですが、それがMiss Mの

「まあ、良いでしょ。まだまだ全然足りないけどね。

と言うメッセージであることを理解した後は、

Miss M: "Good!"
Rinko: (・・・もっともっと頑張れと言うことか・・・)

と背筋が伸びる思いをしたのでした。


日常生活や仕事の中で、一つの作業に慣れてくると「ここまで出来たら、大体良いかな」と言う気持ちが知らず知らず出て来ていたりします。


そんな時、ふとこの言葉が頭を過ぎり、今でも「ギクリ」としてしまいます。

自分に甘くなりすぎていないか。

作業がなあなあになっていないか。

自分でどこかに勝手な線を引いているのではないか。

"Excellent"は一体どこにあるんだろう。

あの言葉は、きっと今後もしばしば要所要所で蘇っては、私の胸を「チクリチクリ」と刺していくのでしょう。


クルテク

それから、もう一つMiss Mが口をすっぱくして言っていたこと。それは


「舞台の日は綺麗な格好をしてきなさい。」


と言うことでした。


「観に来てくださった方は舞台上でのイメージを持っているのだから、汚い格好やだらしない格好で劇場から出てくるところを見せたらダメ!!髪もきちんと整えて綺麗にしてから出てくること。」


と言う理由からです。

これも厳しく言われていたので、シャワーを浴び、楽な格好でリラックスしたい気持ちをぐぐっと抑えて、皆でもう一度軽くメイクをし直し、髪の毛を整えて、これからデートにでも行くかのような気合の入った格好で帰っていたのでした。

・・・そうやって頑張っていたのですが。

ある日、唐突に「とある食材」を食べたい衝動に駆られ、チャイナタウンに日本食を買いに出かけた時のことです。

ホクホクと商品を見て回っている最中、少し離れた場所に立っていた2人の女性がニコニコしながら手を振っているのが目に入りました。

どなただか分からなかったため、自分に対して手を振っているとは思わず、いったんはそのまま視線を商品に戻したのですが、それでもまだ手を振っていたその方達の方をもう一度見上げてみると、お2人が近づいてきました。

その数日前にあった公演を観に来て下さっていた方達だと言うことが判明し、ちょっと立ち話をして、とても素敵な気分でお別れした後、自分の格好を思い出し、ヒヤリとしました。

すっぴんで。髪も適当に束ねただけで。どうでも良い感じの格好で。手には冷凍の納豆を持っていて。

・・・微笑んでいるのに目が笑っていない、そんなMiss Mの姿が頭を過ぎりました。

はじめまして!今日からブログを書かせて頂くことになったRinkoです。

私にはとても大切にしている「2つの世界」があります。
それは、「言葉を使わずに物語や感情などを『伝える』バレエ」と「言葉の力を最大限に活かして『伝える』翻訳・通訳」の世界です。

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バレエと出会ったのは3歳の頃のこと。


病気を繰り返し身体が弱かった私を心配した母は、医師から「何かスポーツをさせてみては」とアドバイスを受け、水泳教室へと連れて行ってくれたそうなのですが、どうやら私は泳ぎの世界にほとんど馴染めなかったらしく、その結果は散々なものでした。


オイオイ泣きながら準備体操をし、水の中に入ると泳ぐどころかブクブクブクブクと無抵抗に沈んでいくのみ・・・。

さらには、泳ぐ順番が回ってきても、後ろにいるお友達に「ドウゾ~」と譲って自分は全く泳がない、と言う暴挙にまで出る始末。


「・・・これは駄目だ」


と言うことで、体を動かす他の習い事を母が探していた時、私はある場所で夢中になれるものとひょっこり出会ってしまったのです。


それがバレエでした。

通っていた幼稚園では放課後に週1回位のペースでバレエのレッスンが行われていました。
他にも幾つか習い事をしていたのですが、引っ込み思案で決して積極的な性格ではなかった私が、「これが、やりたい!」と強く主張したのはこの時が初めてだったそうです。


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一方、英語に興味を持ったのは、小さい頃に両親が買ってくれた英語の教材テープを面白がって聴いていたことがきっかけのようです。


年齢を重ね、英語を少しずつ理解していくにつれて、大好きな映画を繰り返し見ている最中に不思議な感覚を抱くようになりました。日本語の字幕に注目して観た時と、英語の台詞を聴くことに注目して観た時の、感じ方が少し違ったのです。

その感覚が面白いなあと思って、映像翻訳の第一線で活躍されている戸田奈津子さんの本を読みました。そこに紹介されていた英語と日本語の微妙なニュアンスの違いや、翻訳をする際の工夫などを夢中になって読んだことを覚えています。


こうしてバレエと英語は私にとってなくてはならないパートナーになりました。

どの世界にも共通することだと思いますが、どちらも終わりと言うものがありません。学んでも学んでもゴールラインが見えることはなく、ただひたすらに追い続け努力し続けなければならないのだと思っています。


大好きで大切なものだからこそ、上手くいかなくて凄く苦しくなったり、とことん落ち込んだり追い詰められたり・・・、それでもやはり得られる充実感や幸福感は格別なものだと感じています。追いかけても追いかけても遥か遠くに感じる存在。


これから、ポツポツとこの2つの世界を中心に書いていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします!


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