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TITLE : そうだ、ロンドンだ! アラフォー7

食べることしか楽しみがないアラフォーが、どうせやるなら好きなことを次の仕事にしようと料理留学を決めた。
 では具体的にどうしようか。
 料理の本場はフランスやらイタリアやらだ。だが私はフランス語もイタリア語も分からない。
 それに英語をブラッシュアップしたほうが、次の仕事にありつく選択の幅も広がりそうだ。そして何より、悪徳我が社は英語を勉強してこなければクビを切ると言っている。
 つまり、料理をメインにするのではなく、英語をメインに勉強してこいという足かせが、この留学にはついている。
 金も出さないんだから好きにさせろと憤っても、会社を辞める能力がないアラフォーにはそれを口にする勇気もない。
 英語が勉強できて料理も勉強できる国、となるとすぐには浮かばなかった。
 あくまでも私個人のイメージだが、アメリカに料理を習いに行っても大味というか、ハンバーガーでも習って来たの? と言われそうだし、イギリスなんて料理のまずい国に行って料理を勉強しても、日本に戻って来てから不味い料理しか作れなそうだ。
 次の仕事にありつくためには、料理の腕も磨くことも目標にしなければならない。
 そこで友人が呟いた一言。
「コル○ン・ブルーとかはどう? どうせ行くならハクがつく学校に通って帰ってきなよ。聞いたこともない学校より、料理研究家としても生徒を集めやすそうじゃない?」
「...っ!」
 お料理が好きな女性ならば、たまに聞いたことがあるこの名前。
 オードリーヘップバーンが「麗しのサブリナ」で習いに行って、磨かれた学校。
 芸能人やお金持ちが習いに行く学校。
「フランスのコル○ン・ブルー本校は日本人しかいないらしいよ。ロンドンとかはどう?」
 ロンドン。
 学生時代、少し滞在したことがあり、土地勘も多少は分かる。
 何より車を使わず、電車で通学できるというのはありがたい。 
 ロンドン、しかもコル○ン・ブルー帰りの料理研究家。
 イギリスは料理がまずいと言われていても、コル○ンならば美味しい料理が作れるかもしれない。
 何せ次の仕事にありつき、一人で自分を食べさせていかなければならないアラフォーは必死だ。
 よし。ロンドンに行こう。
 学費も為替を見れば円が高くなっている時期であり、日本の半額で資格が取れる。
 どうせなら、フランス菓子、フランス料理の両方の学位、グランディプロマとやらを取ってやろう。
 お茶にお花、さんざん習い事に金も時間もつぎ込んできたアラフォー、だがどれもものにならなかったアラフォー。かといって弁護士や税理士、司法書士等の食べていけそうな資格を勉強する根性も頭もないアラフォーにとって、人生に初めて見えた一筋の光明であった。

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