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2010年2月アーカイブ


NZでの生活が終わるころには、私まで例の、世の中ドロップアウトしちゃった日本人の二の舞、になっていた。

ま、とりあえず、芸人さんの罰ゲームでもないのにバンジーで泣き叫び、スカイジャンプで9000メートルから飛び降りて、風邪を引きまくり、バックパッカーに逆戻りして...と、とても楽しい思い出ができたには違いない(本当か?)。

週末家に泊めてくれたNZのお友達、がめついばーさんの独身の妹さん...等々、NZの人で今も交流が続き、温かい気持ちをくださる人がいっぱいいる。
ホームステイを受け入れる必要のない家庭に泊まりにいったら、ごちそういっぱいだし、おごってくれるし、心癒される思いもした。

バスの運転手の人はいつも走って飛び乗る私に「あなたが来るまで、ここで止まって待っててあげようか?」と他にお客さんを乗せているにもかかわらず、言ってくれたり。

時間にも、心にも余裕がある人たちの優しさをいっぱいもらった。
自分だけがよければいいなんてことはなくて、人に貢献することが自然にできる人たちでもあった。

NZの人はとても善良で親切で、人は本当にいいと、心から思う。
(あれだけつらい目にあってこう言える私も偉い?)

私よりはるかに年下のクラスメイトたちとも、今でもメールでやりとりをしているし、いいお友達がいっぱいできた。

働き盛りの人とか、これから人生リセットして、ビジネスを始めよう、料理を学ぼう、という人には向いていない場所ではあるが、心癒されたいとか、そういうのを目的として行く人にはいい場所だと思う。(あくまでも私個人の偏見である。私が経験してきたこのエッセイをご覧になった方には、どうか了承、同情頂きたい)

最初が仕事ができないエージェントのワカモノくんに迷惑をかけられたスタートだったので、それもNZの人には申し訳ないことをした。

人生万事塞翁が馬、運が悪いように見えることであっても、それは自分に必要なことだったのだ、これが一番よい結果だったのだ、と思うようにしているのだが、いや、そう思わないと可哀そうだからなのだが、そう思って生きれば人生楽ですよ、みなさん。

NZの皆様にはいっぱい助けて頂いた。

このエッセイは面白おかしく、楽しんでもらえるのを趣旨として書いているため、脚色している部分がないこともない、ので、そこは了承されたい。

NZの皆様には、心から感謝申し上げる次第である。

さて。

このHPもそろそろリニューアルされるそうなので、いよいよ料理留学本番。というか、帰国後、食べていくための職業訓練本番。

次回からはイギリスに舞台を移し、アラフォー、人生再起をかけての旅が続きます。

あクイーンズタウンに行っている間、荷物はクラスメイトの家に置かせてもらっていた。

クラスメイトもホームステイだったが、この家。

リビングは白く、キッチンも綺麗で、花も飾っていて、インテリアもイギリス調で...とインテリア雑誌から抜け出たように綺麗な家であった。

荷物をなぜ置かせてもらえたかというと、クラスメイトのホストマザーは恋人とオーストラリアにバカンスに行っていて、その間、クラスメイト一人だけになってしまうため、割と自由がきいたからである。(クラスメイトは5カ月ステイだったため、2週間くらいの不在はホストマザーもクラスメイトも納得ずくである)しかも。

その子のホストマザー「さびしいでしょう? 私がいない間、お友達呼びなさい。お友達の分もご飯つくっておいてあげる」

クラスメイト「ご飯食べる? タイカレー? ハンバーグ? チキンの煮込み? 好きなの選んで」

特大冷凍庫には、付け合わせまできちんと凝った、山ほどの冷凍の手作りご飯が...!

クラスメイト「ホストマムがね、出かける前に何日か掛けて、一日3食、2週間分のご飯を全部手作りしてタッパにお弁当形式に詰めてくれて、冷凍庫に入れてってくれたのよ。私はチンするだけでいいの。お友達がくるかもって余分もね」

お食事はとても美味しかった。

私「ゾウの置物もないし、ギロチンもないし、カーペットも真っ黒じゃないし、カーテンは真っ赤じゃないし、お風呂壊れてないし、毛むくじゃらじゃないし、窓壊れてないし、ちゃんと閉まるし、あったかいし、綺麗だし、ご飯おいしいし、なんてすばらしいの!」

クラスメイト「......これが普通なんだよ......」

思い切り同情されたのだが、NZの普通の家庭を誤解しきっていた私の記憶は、これで少し修正された。

クイーンズタウンではもちろん、バックパッカーの宿に泊まった。

私は既に。

「安上がりだし、これで十分。危険なことがあったらその時はその時」という気持ちに、こちらも修正されていた。(責任感から申し上げるが、おススメはしない)

8人部屋で、何人かは夜中の3時とか4時とかに帰ってきて、明かりはこうこうと点けるは、私のボディローションはなくなっていたりもしてたのだが、それでも、もうバックパッカーの宿に私は慣れてしまった。

他の子たちは私より20は年下で、この年で泊まっている人はあまり見かけなかったのだが、それでもよかった。

20年働いてきたご褒美、エステで癒され、ホテルに泊まって...なんて夢を描いていた善良なアラフォーのもらったご褒美は、バックパッカーの宿への宿泊であった。

(まあこの時までは留学も始めたばかりだったこともあり、貧乏でも旅行に行く余裕があったと言えないこともない)

ある意味、今後の人生を乗り切るには、貧乏な生活に慣れるという予行演習は、日本人の誰にも必要な経験になるのかもしれない......。


スカイジャンプのせいか、バックパッカーの宿で眠れなかったせいか、温泉のせいか、暖房がなかったせいか、窓が開いていたせいか(窓が開いていたせいだと思う)、私はNZにいる間中、ずっと風邪をひいていた。

ホストマザーは「お大事に」とも「大丈夫?」とも一切口にしようとはしなかった。
自分の責任を追及されるのも嫌だったのだろうし、そういう性格なんだろうと思う。

その家を売りに出してオーストラリアに行くそうで「ホームステイを受け入れるのはこれで最後よ。NZからもおさらばよ!」なんて言ってる女だったので、学校に相談のしようもない。

風邪を引いて、ひどい熱に咳も出てるアラフォーは、学校が休みの土日くらい家でゆっくりしたかった。

ホストマザー「土日は、お客さんが内見に来るのよ。家から出てってくれる? 部屋にいても、大勢見に来るから、寝てられないわよ」

...。

土日、食事を作るのも嫌だったのだろう。私が家にいなければ、ガス光熱費水道代も浮く。

私は友達の家に、毎週末泊まりに行かせて頂いていた。
私自身もその女と一緒にいるよりも、寛げた。

ちなみに、薬局で風邪薬を買おうとしたら「風邪を引いてもう3日か。じゃ、治りかけだから、トローチで十分だ!」と、風邪薬は売ってくれなかった。

NZの人はとてもワイルドで強いと思った。日本人がひ弱になっているんだろうと思った。ここはとても尊敬すべきところだ。

この女性と暮らしていた日々はたったの3週間だったのだが、(だからこそ、敢えてステイ先の変更をしなかったのだが)ほんっとーに長く感じられた。

最終週、悔しかったので週末家にいてやろうと思ったが、まだいい思い出がなかった私は、クラスメイトに誘われて、最後にクイーンズタウンに行くことにした。

3日分、早めに退去することになったが、もちろんお金は帰ってこない。

3日分早めに退去することを告げた時のこの女の嬉しそーな顔といったらなかった。
お金目当ての女性であり、ホームステイを受け入れるのに向いているような性質ではなかったし。

みなさんはホームステイのお別れというと「ありがとう、素敵な思い出いっぱいできたわ」「私たちもよ、由里。ここを自分の家だと思ってね。いつでも帰ってきて」なんて挨拶しながら、キスでぶっちゅぶっちゅして涙をこらえてさようなら...なんてのを想像するかもしれないが、私が前日の夜、翌朝7時に退去することを告げた時、「そう、私は起きれないけれど、鍵は机に置いてって、じゃ、おやすみ」とあっさり言われてそれで終了であった。

朝、誰にも見送られず、たった一人家を出た。

日本人というのは善良で、恵まれてるんだなあと本当に思う。
性善説で生きているところもあり、シャワーが出るのも当たり前、郵便物が届くのも当たり前、不在だったら不在通知も入っていて、電話すれば再配達してくれるのも当たり前...なんてのが、当たり前ではないサービスだったりもする。

「荷物が届かないのよ~。ロストしたのかもね~」なんて言っても「そんなはずはない」と、結構日本の知り合いたちに責められたりもしたのだが、海外にいる人には、もうちょっと優しくしてくださいねv
しかも言葉ができないアラフォーには......。


たった一人のバレンタイーン♪
家でじっとその日が終わるのを待っているアラフォー由里です、こんにちは。


ま、基本的に、私がだまされた留学エージェントもそうだが、お金を払う前はいいことをいっぱい書くもんである。

このツアー料金、安くはなかった。それどころか、結構高かった。

朝、迎えに来たバスを見てびっくりした。
椅子は壊れ、中の綿は飛び出し、すすけていて、窓も閉まらない。

いやはや超オンボロの昭和30年から使ってるんじゃないかというバスがやってきた。

NZの名誉のために言うが、他の車を見ても、ここまでオンボロのバスが公道を走っているのを見たことがなかった。

とりあえず乗り込んだ。

何度も言うが、暖房はなかった。片道約3時間の道のり、コートを着たまま、またも寒い思いをしながらの旅が始まった。

約3時間、どこを見ても同じに見えるのどかな景色がずっと続いた。

夜、泊まる場所に到着した。

バックパッカー専用の、超格安宿であった。

学生時代、ユースホステルを利用したことはある。
汚くて窓も閉まらなくて、汗臭いにおいもしみついているようなベッドに、大部屋でステレオを持ち込んでうるさくしている部屋なんかもあって眠れない...そんな経験をしたこともある。

その時「いつかお給料をいっぱいもらえるようになったら、こんな生活から抜け出してやる~! いつか綺麗なホテルに泊まれるようになってやる~!」と。

ハタチそこそこの私は誓ったものである。

だが。

アラフォーになって、再びバックパッカーに逆戻りする羽目になるとは思わなんだ...。

その夜、隣の部屋はステレオをガンガン慣らし、ビールを数十本空けて、夜通し騒いでいた。鍵も壊れていたのか、夜中の3時に男の人が部屋に入ってきて、とても怖い思いをした。(大部屋だったため、クラスメイトたちみんなと「きゃあ!」と騒いだら「間違えました」と言って去って行った)

眠れないまま朝になった。

ツアーに書いてあった「動物との触れ合い」やらは、書いてあったが実際にはその場所に行きもしなかった。

「色々観光が含まれています」とのことだったが、どこに行くにも「追加料金」だらけで、入場料もすべて別に払わされてしまった。

「朝食つき」とのことだったが、朝、バックパッカー宿にあったのは、「食パン」だけであった。ジャムはあったので、仕方なく、食パンにジャムだけをつけて食べた。

基本的に外国は朝食にシリアルだけ、とかなんだが、日本人は甘やかされてるなあと思いつつも、アラフォーになると、そういう食生活をしていると、体にガタがくるのだ...。

まあいい。ツアー料金が安ければ不満も出ないのだろうが、お高いからこそ不平も出よう。(これは人間の心理ですね)

温泉付き、というのにとても期待していたのだが。

ツアーガイド「この公共トイレで水着に着替えてください。温泉はここから徒歩20分くらいのところに自然にお湯が湧き出る川がありますから、そこに行って浸かってください。じゃ!」

外は5度である。暖房のない公共トイレ(吹きっさらしの公園のトイレを想像してほしい)で着替えて、水着で歩いて川まで行くのはちょっときつい。

誰も温泉に入ろうとはしなかった......。

だがガイドは私たちを置いていってしまったため、3時間も外で暇を潰すのもただ寒いだけだったので、温泉までダウンジャケットを着て歩いて行った。

足首くらいまでの浅い川の一部分が温泉になっていた。

寒かったから足だけ浸かった。そのうち、足湯をしていると体が温まり...。

もう外の目なんて気にせず、その場で水着に着替えて入った。

もちろん、その後、着替えて同じ道を、湯ざめしながら歩いて帰らなければならなかったのだが。

ツアーガイド「みんな、スカイダイビングしようぜ! このオプショナルツアーに参加しない人は、何もしないで2時間バスで待っててくれよ」

寒いバスで待っているのもつらく、ガイドにのせられるように、スカイダイビングを申し込むアラフォーがいた。

とにかく、一つでも何かいい思い出を作ろうと必死だった。

もしイギリスに行っていればこんな怖い思いをしなくてすんだのにーと思いつつ、NZに行ってしまったせいで、スカイダイビングやら、バンジージャンプやらをやる羽目になったアラフォー。

記念DVDには「怖いよ~キャンセルさせてよ~!」
係員「おれっちの仕事はそういうお客さんを突き落とすことなのさ。べいべー(この言い回しがアラフォーだろうか)」

泣き叫ぶアラフォーと、にっこり笑ってキャンセルに応じず、ジャンプさせる係員の姿が...。

ある意味、一生思い出に残る、度胸体験ができたのかもしれません。

もう一度したいとは思わないが。

たまにこのエッセイをアップしていないと、「本当に死んでるんじゃないだろうか」と心配されてしまう生活を送っている由里ですこんにちは。

限界ぎりぎりのところを、何とか生き延びています。

野菜くずをもらい、飢えをしのぎつつ、毎日の空腹に耐えています。

さて。

エキセントリックな女の家にホームステイさせてもらっていたのだが、この女性、犬を二匹飼っていた。
私は動物が好きなので、ワンちゃん自体は本当に可愛くて仕方がなかった。
だが。

この女。犬のエサ皿と私の食器を食器洗い機で一緒に洗っていた。

一か所しかないシャワーは、ワンちゃんを洗うのと同じものだったため、いつも毛むくじゃらでお湯が詰まって仕方がなかった。
仕方なく私が掃除をしていたが、それでもいつも真っ黒だった。

自分の飼い犬が可愛い気持ちは分かる。自分のワンちゃんの食器と、自分の食器を同じ食器洗い機で洗っても、家族だから気にしない気持ちも本当に分かる。

でも。

私は自分がいくら動物が好きでも、他人さまがワンちゃんと同じ食器でお食事をなさったらどういう気持ちがするかという想像力がある。
料理研究家という職種は特に、衛生面を人より気にする。

「こんな食器で綺麗に盛り付けて、なんて素敵な食卓なんでしょう」なんてのを夢見ていたアラフォーの現実は。

ワンちゃんのお皿と一緒に洗った食器でのお食事であった。

まあいい。

シャワーはお湯が出ましたからね......。

このままでは自分のNZでの生活が可哀そうすぎると思い、学校主催の、土日週末郊外宿泊ツアーというものに申し込んでみた。

学生とも仲良くなれるし、友達もいっぱい作って、何より、NZでの思い出をいいものにしよう。せめてひとつくらい、いい思い出を作って帰ろう。
そう思って期待に胸を膨らませていた。

ツアーの詳細には「温泉付き! 鍾乳洞で素敵な景観。動物との触れ合い」とかいいことがいっぱい書いてあった。

だがしかし。

学生向けのツアーがそんないい思い出ができるわけがあらなんだ......。






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