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TITLE : アラフォー36


スカイジャンプのせいか、バックパッカーの宿で眠れなかったせいか、温泉のせいか、暖房がなかったせいか、窓が開いていたせいか(窓が開いていたせいだと思う)、私はNZにいる間中、ずっと風邪をひいていた。

ホストマザーは「お大事に」とも「大丈夫?」とも一切口にしようとはしなかった。
自分の責任を追及されるのも嫌だったのだろうし、そういう性格なんだろうと思う。

その家を売りに出してオーストラリアに行くそうで「ホームステイを受け入れるのはこれで最後よ。NZからもおさらばよ!」なんて言ってる女だったので、学校に相談のしようもない。

風邪を引いて、ひどい熱に咳も出てるアラフォーは、学校が休みの土日くらい家でゆっくりしたかった。

ホストマザー「土日は、お客さんが内見に来るのよ。家から出てってくれる? 部屋にいても、大勢見に来るから、寝てられないわよ」

...。

土日、食事を作るのも嫌だったのだろう。私が家にいなければ、ガス光熱費水道代も浮く。

私は友達の家に、毎週末泊まりに行かせて頂いていた。
私自身もその女と一緒にいるよりも、寛げた。

ちなみに、薬局で風邪薬を買おうとしたら「風邪を引いてもう3日か。じゃ、治りかけだから、トローチで十分だ!」と、風邪薬は売ってくれなかった。

NZの人はとてもワイルドで強いと思った。日本人がひ弱になっているんだろうと思った。ここはとても尊敬すべきところだ。

この女性と暮らしていた日々はたったの3週間だったのだが、(だからこそ、敢えてステイ先の変更をしなかったのだが)ほんっとーに長く感じられた。

最終週、悔しかったので週末家にいてやろうと思ったが、まだいい思い出がなかった私は、クラスメイトに誘われて、最後にクイーンズタウンに行くことにした。

3日分、早めに退去することになったが、もちろんお金は帰ってこない。

3日分早めに退去することを告げた時のこの女の嬉しそーな顔といったらなかった。
お金目当ての女性であり、ホームステイを受け入れるのに向いているような性質ではなかったし。

みなさんはホームステイのお別れというと「ありがとう、素敵な思い出いっぱいできたわ」「私たちもよ、由里。ここを自分の家だと思ってね。いつでも帰ってきて」なんて挨拶しながら、キスでぶっちゅぶっちゅして涙をこらえてさようなら...なんてのを想像するかもしれないが、私が前日の夜、翌朝7時に退去することを告げた時、「そう、私は起きれないけれど、鍵は机に置いてって、じゃ、おやすみ」とあっさり言われてそれで終了であった。

朝、誰にも見送られず、たった一人家を出た。

日本人というのは善良で、恵まれてるんだなあと本当に思う。
性善説で生きているところもあり、シャワーが出るのも当たり前、郵便物が届くのも当たり前、不在だったら不在通知も入っていて、電話すれば再配達してくれるのも当たり前...なんてのが、当たり前ではないサービスだったりもする。

「荷物が届かないのよ~。ロストしたのかもね~」なんて言っても「そんなはずはない」と、結構日本の知り合いたちに責められたりもしたのだが、海外にいる人には、もうちょっと優しくしてくださいねv
しかも言葉ができないアラフォーには......。

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