
わからない、
僕達が、下北沢から歩いて13分、環七ちかくの坂の真ん中にあるアパートで一緒に暮らし始めてから、3ヶ月になる。
ぼくは、彼女の写真を撮る。来る日も、来る日も。
女優藤崎ルキノがプロデュースする「フジサキルキノ」の世界。

彼女は日がな一日家の中にいて、

漫画を読んだり、昼間から長風呂をしたり、
映画を見たりして(パトリス・ルコントがお気に入りのようだった)
僕の帰りを待っている。

「たーくんはさ、おたくってやつなの?本いっぱいだね」
「寝るとこないんだよ、ね、お願い、朝まで置いて、今日だけ。」
と言ってうちに転がり込んできた彼女は、

次の日も、その次の日も帰る気配がなく、
こうして、ぼくらのちいさな日々が始まったのだった。

小田急線の走るこの街で。
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