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2010年3月アーカイブ


TITLE : 着物の鯉

KO11.jpg.jpgのサムネール画像


 今回描いた作品は、着物の絵柄に注目して下さい。
着物の袖に大きな鯉を描いたのが特徴なのですが、
とても好みなので私のHPにも掲載している作品があります。
ただ実際のところ、浮世絵にてこのような柄の着物を着ている女性を
見かけたことはありませんでした。

しかしつい先日、奥村政信「結文」(太田記念美術館開館所蔵)にてそれを
確認することができました。


 奥村政信(1686~1764)は、菱川師宣や鳥居清信の画風を学び、さらに独自の
画風を築いた浮世絵師です。
代表作の一つに「芝居狂言舞台顔見世大浮世絵」は、西洋の遠近法を応用して
歌舞伎小屋の内部を描いたものがあります。
他にも、芝居舞台と観客と観客席、そして小屋前の通りなどを臨場感たっぷりに描いた
肉筆画による「中村勘三郎座芝居図」も知られています。


 「結文」にある鯉の柄で誂えた着物の女性は、彼にとって特別な女性だった
のではないだろうか、とつい考えてしまいました。

【参考引用文献】
「浮世絵の歴史」1998小林忠(監修)美術出版社

※早稲田大学坪内博士記念演劇博物館・歌舞伎浮世絵画廊所蔵の
 歌川豊国「五節句の内 菊月」の女性の着物にも鯉の柄がありました。


ko10.jpgのサムネール画像

 江戸の街並みを描く場合、歌川広重の「名所江戸百景」、斎藤長秋・莞斎・月岑の
「江戸名所図会」、詳細な場面には、菊川英山の「英山呉服店の図」
などを参考にしたことがあります。
もう少し、当時の賑やかな日常の風景が一目で伝わってくる街並みはないものか、
と探していたところ、多様な人々が描かれており、売買をめぐる描写の非常に
豊富なことが注目されている絵巻があることを知りました。

この絵巻の名を、煕代勝覧(きだいしょうらん)といいます。
描かれている場所は、神田の今川橋(現・東京都千代田区鍛冶町一丁目付近)を起点に、
日本橋通りを約七町(760メートル)ほど南下し日本橋へと至る、通町と呼ばれる
江戸で最も主要な街路と、これに面する街並みです。
十九世紀初頭における江戸日本橋近くの通町筋を12メートルにも及ぶ連続画面として
描かれています。
私はまだ実物を見たことがありません。
煕代勝覧はベルリン東洋美術館所蔵のものですが、一度本物を見てみたいです。

【参考引用文献】
大江戸日本橋絵巻-「煕代勝覧」の世界-、2003、浅野秀剛編 吉田伸之編 浅野秀剛〔ほか〕、講談社
江戸名所図会を読む、2001、川田壽、東京堂出版






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