ママ・キャリア・バランス推進委員会代表のLo紀子です。
前回の続きになりますが、香港から帰国した私が感じた、日本人女性の印象。
それは、「日本のママはタイヘンだ!」でした。
では、何が「タイヘンだ!」なのか。
これから数回にわたってお伝えしたいと思います。
専業主婦の方が高い育児率
日本でマタニティー・ライフを送っていた際に、ショックだったのは、母親が自分の手で子どもの人生を終わらせてしまった事件の報道です。愛情がなかったわけではなく、育児に行き詰ってしまった結果、最悪な結幕を迎えてしまったというような解説を聞いた時に、本当に悲しくなりました。
どうしてこんなことが起こるのだろうと調べて行くうちに、"育児うつになってしまうリスクは、実は専業主婦の方が高い"というデータを見つけました。時間的、物理的なストレスは、働いているママの方が高いはずです。
専業主婦の方が育児うつのリスクが高い背景には、何があるのでしょうか。
3歳児神話の亡霊
3歳児神話ってご存知ですか?
子どもにとって、生まれてから3歳までの時期は、その後の人生を左右する重要な時期で、この大切な時期に、母親の手によって子どもを育てなければ良い子に育たないという育児論です。これを裏付ける統計調査があるとのことでした。
では、3歳児神話は崩壊したってご存知ですか?
3歳児神話の重要なポイントは、「3歳までは母親が育てるべき」ということでした。
しかし、その後の統計学の分析により、3歳児神話には、一部誤りがあったことがわかったそうです。
「子どもの成長を考えたときに、3歳まではとても重要な時期で、大人の積極的な働きかけが必要だ。」
この部分には、変わりないのですが、働きかける大人は必ずしも母親でなくても構わないというのです。
育児に関する調査を行なっている先生によると、3歳児神話が生まれた調査を改めて分析しなおしてみると、子どもが非行に走る原因は、母親の就業ではなく、貧困にあったということがわかったそうなのです。
統計学の世界でも、分析の技術やスキルはどんどん進化しているから、昔の調査を見直してみると、こういうことも起こるのだと聞きました。
ところが未だに3歳児神話は、亡霊のような形で存在し続けています。
3歳児神話を要約すると、「育児の全責任はママにある」ということになります。
愛しい子どもの人生を1人で背負うのは、かなりのプレッシャーです。
仕事の有無に限らず、いまだに「3歳児神話の亡霊」は、多かれ少なかれママのプレッシャーになっているのが現状ではないでしょうか。
他の国の育児事情をみてみると...
実は、以前から「3歳まではママでなければいけない」という3歳児神話には疑問がありました。それは香港でワーキングマザーやその家族とおつきあいさせて頂いていたからです。
香港の共働き家庭のほどんどが外国人ドメスティックヘルパー(メイド)さんを雇っていて、3歳になるまでの日中の子育ては主にドメスティックヘルパーさんたちが担っています。
一方、香港では家族の結束が固く、大人になってからも、毎週末の午後を家族(親戚)で過ごす習慣があります。中には毎月きちんと親に仕送りする友人もいるほどです。
そもそも「3歳までママが育てなければ問題児になる」のだとすれば、香港は問題児だらけになってしまいます。
※ここでは、どちらが優れているというような比較がしたいわけではなく、あくまで「こういうケースもありますよ」という例として紹介しています。
3歳児神話は誤りだったとわかったわけですし、3歳までママがずっとつきっきりで一緒にいてあげている場合でも、育児はママだけの責任ではなく、周囲のおとな皆で愛情を注いであげることが大切です。
...そんな考え方が広まれば、「日本のママはタイヘン!」が少し緩和されるのではないでしょうか?
